南アイスランド1map

●南アイスランド①
 南部アイスランド①には美しい自然や史跡が多く、大小無数の滝、間欠泉と地熱地帯、氷河、広大な溶岩原、緑が美しい酪農地帯とバラエティに富んだ地形が特徴。中でもゴールデンサークルはアイスランド旅行では外せない観光スポット。

●ゴールデンサークルとは
 ゴールデンサークルは、西はシングヴェトリル国立公園からゲイシール間欠泉を経て、東はグトルフォスの滝まで一帯のエリア。レイキャヴィークから東に約30〜70kmと都市圏からの距離が近く、日帰りで巡ることも可能で、アイスランドの雄大な自然と歴史を感じることができる観光スポットが集中しているまさに黄金のルート。 見どころは、ゲイシール間欠泉、グトルフォスの滝、大陸プレートの割れ目シングヴェトリル国立公園(世界遺産)などで、 大型バスツアーや4WD車利用のアドベンチャーツアーなど、ツアーも豊富。


シンクヴェトリル国立公園 Þingvellir

レイキャヴィークから北東へ約50Km。西暦930年世界で初めて民主議会が開かれ、憲法を制定し、議会民主政治を確立した聖地。世界最古の国会アルシンギはその後1798年まで途絶えることなく毎夏(6月)に召集され開催され続けていた。
アイスランドがそれまでのヴァイキングによる多神教を棄て、1000年、キリスト教を国教とすることを決めたのも、1944年に独立宣言して現在の共和国を創設したのもここシンクヴェトリルである。
1928年、シンクヴェトリルは国内最初の国立公園に指定されている。そしてシンクヴェトリルは2004年7月7日、中国の蘇州で開催された世界文化自然遺産保護に関するユネスコの世界遺産委員会においてユネスコの世界遺産に登録されている。
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シンクヴェトリル国立公園を更に有名にしているのが地球の割れ目とも云われる壮大なギャゥを目の当たりに観察することができることだ。
アイスランドは大西洋中央海嶺の延長上にあり、海嶺のてっぺんには幅数10kmの地溝帯がある。この地溝帯は地球の内部から上がってきたマントル対流がその下で左右に分れ、水平に進む為にできた割れ目(ギャゥ)だが、通常地溝帯は海面下1~2Kmにあるために、地上で見ることは難しい。
しかし、世界で2箇所のみ海嶺が地上に乗り出しているところがあり、そのひとつをここシンクヴェトリルで見ることができる。アイスランドにはギャゥが幾つかあるが中でも最も有名なギャゥはここシンクヴェトリルで。一つひとつの割れ目は長さ数キロ、幅も地表面からの深さも30m程度ですがこのような割れ目が雁行して延々と連なってアイスランドをほぼ南北に貫いている。

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ゲイシール Geysir

レイキャヴィークから北東へ120Kmにあるアイスランドを代表する間欠泉。アイスランド語で噴出を意味し、英語の間欠泉(Geyser)の語源になっているほどで、間欠泉はアイスランドのシンボル的存在。ゲイシール間欠泉はかつて60M-70mの高さまで噴き上げていたが、1915年以降は休止状態が続き、1935年になって再び活動を開始したものの数年で休眠状態となっていた。
しかし、2000年6月17日と21日に南部地帯で大きな地震が発生したからでしょうか、突然、活動しびっくりさせられた。噴出は多くても1日数回で、高さも数メートルでかつての栄光を取り戻すまでには至らず直ぐに再び休眠してしまう。ところが2008年5月29日にM6.2の大きな地震が発生し、また、噴き上げた。地震により、南アイスランドの地熱が刺激を受け活動を強め、ゲイシールの底にある温水が地熱で高温状態に高められたのが原因だ。

ゲイシール以外にも10個以上の間欠泉がここにあるが最も活発に活動しているのが1963年からゲイシール・エリアの主役となったストロックル間欠泉(Strokkur)。ストロックルはアイスランド語では「攪拌」を意味し、1789年の地震の際に出現した間歇泉。7~8分毎に30mの高さまで豪快に噴きあげている。その自然の営みをすぐ傍で見学できる。温水が地熱(120℃)で高温状態になり底部(約23Mの深さ)が沸騰し、瞬時のうちに蒸気となりその蒸気圧が水圧に勝って溝の上部の熱湯が突然噴き上げる現象だ。その轟音と迫力満点の大自然の営みに感動を覚えずにはおられない。


ゲイシール、ストロックル以外にもオゥセルリスホーラ(Óþerrishola、雨乞い師)、リトリ・ゲイシール(Litli-Geysir, 小ゲイシール)、リトリ・ストロックル(Litli-Strokkur, 小ストロックル)など名前が付けられている小さな間欠泉があが噴出はほとんどしていない。ただ、オゥセルリスホーラ間歇泉のみは気圧が低いときに何回か小さな噴出を起こすことがある。ゲイシール近くにあるコヌングスクヴェール(Konungshver,王様の温泉)とブレシ(Blesi, 保温鍋)は2000年6月の地震の後に沸騰した熱湯を50cm~1mまで噴き上げる姿が見られる事がある。スナックショップやギフトショップに隣接して、アイスランドの地質に関する興味深い展示が見られるゲイシール・センターがあり 、氷河、火山、地震そして地熱等に関する博物館となっている。移住時代からの民族的展示物も陳列されてる。氷河が崩壊する様や氷河と火山の相互作用によって形成された地勢など自然の摂理が創造した世界の紹介にこの博物館のコンセプトはおかれ 、結構興味惹かれるスポットとなっている。
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グトルフォス Gullfoss

ゲイシールからおよそ10kmに位置するアイスランド第一級の瀑布グトルフォスは、アイスランド語で「黄金の滝」の意味。ラングヨークトル氷河から流れ出る大河クヴィートアゥのたわわな河水が幅70メートル、1段が15~30メートルの高さの階段状の溶岩層を白い水煙を上げながら流れ落ちる様はまさに豪快そのもので迫力満点。虹がその水煙にかかると、鮮やかな虹がかかり、名前どおり、その光景は黄金色に染まり特に壮観。更に滝が流れ落ちた後は、溶岩層の大渓谷を悠々と流れ続け、これまた素晴らしい光景である。
通常、1月~3月は凍結するが、夏季とはまた趣を変えた勇姿に出会え、大自然の営みのすごさに感動できる。崖上にはこの滝を外国発電資本から守り抜いた少女シグリットの銅像がある(ここをダムにしようと滝周辺の利権を獲得しようとしたバイヤーとそれを阻止した勇敢な女性)。
パーキングエリアの左手には板作りの階段があり、そこを昇ると高台があってそこにはグトルフォス記念館(シグリーズゥルを記念して建てられたもの)がある。ここからグトルフォスの滝とその周辺が一望できる。
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ヘインギットル Hengill

レイキャヴィークから車で20分、広範囲の地熱地帯にあるほとんどが凝灰岩の山(一部灰色の輝緑岩と青鉛鉱を含む)。過去数回の噴火で隆起した火山で最も高い地点はスキエグ(Skeggi)で標高803m。温泉地帯が広がり、クレーター地帯でもある。見渡す限り、真直ぐ立ち昇る蒸気煙が空に向かって数十メートルの高さまで立ち昇り、ぶくぶくと泡立てる温泉の光景が見られる。アイスランドでも最大級の高温地熱地帯のひとつで幾つかの地熱ゾーンはエネルギー利用されている。
ヘインギットル・エリアの地熱活動は3つの火山系に関係している。少なくても、過去11千年の間に3回の火山噴火がこのエリアでおきているが最も直近の噴火は2千年前だ。
スキー場がありウインタースポーツやアウトドアライフの人気地であるが、現在では年間を通じてのリクレーションエリアとして知られるようになっている。温泉、クレーター、青々とした緑地、大小の川と湖など景観が変化に富んでいる事で絶好のハイキング地帯となっているからだ。たくさんのハイキングコースが整備されていて、その全長は125kmにも及ぶ。コースには一定の間隔でマップと標識板が置かれていて、標識に沿って周辺の自然や文化に関するポイントが分かるようになっている。山腹には野外温泉や泡立つ高温スポットがある。ここに近づくには決められた道を必ず歩く事。コースには難易度を示すマークが付いているので初心者から本格派まで幅広く楽しめる。ヘインギットル地域にはハイカー用の避難所が2箇所設置されている。
ヘインギットルは「アイスランドの地熱地帯と温泉」でも説明している「高温度地帯」である。地震が多発し、割れ目が開いたままの状態で維持され、多孔性の地層になって水を高温地帯に落とし流し、再び上昇させる道を作る。そのために、地震の際に新しい温泉が出現したり、場所を移動したりするのがしばしば起きる事になる。その結果、高温地熱地帯の様相はいつも変幻を繰り返す。ヘインギットルの地熱地帯は数十万年前に出現したものである。 ヘインギットルを中心とする地熱ゾーンはおよそ12平方キロメートルをカバーし、アイスランド最も広域に亘る地熱地帯である。
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ネーシャヴェトリル Nesjavellir

ヘインギットル山の裾野、シングヴァトラヴァトン湖畔に有る、アイスランドの代表的地熱地帯で海抜177mの地域。ヘインギットルの北と北東の斜面下には大量の地熱が存在している。ここには10~12個もの試錐孔があり、中には2000mを超える深さのものもある。地下2000mでは地熱は350℃を超える。ここにはレイキャヴィークを含む首都圏の暖房を一手に賄うモダンな地熱発電所がある。アイスランド最大の地熱パワープラントである。シンクヴァトラヴァトン湖から流れ出た水が濾過され、地熱からの蒸気によって100℃まで熱せられ、高さ400mのヘインギットルの山稜ハゥフリーグル(Háhryggur)にある貯水タンクまで汲み上げられている。熱湯は50km離れたレイキャヴィークへパイプラインで送っており、レイキャヴィークの熱湯タンク・ステーション、ペルトランに到着時にもなお97℃に保たれている。
■ネーシャヴェトリル地熱発電所
ここの地熱エネルギーの利用方の検討は既に第2次大戦後直ぐの1947年にスタートし、調査や計画が2年に亘って実施された。このとき、実験的に幾つかの試錐孔が掘られ、利用可能対象の動力や蒸気の科学的成分についてのどの程度のものかその評価がなされた。その後かなり長い中断があったが、1965年から1986年にかけて短い間隔での探査や調査が行われ、1987年になって愈々地熱パワーステーションの建設が開始され、そして1990年5月には定礎式を迎える。現在時点に於けるパワーステーションの処理能力は200MWtで毎秒1100リットル強に及ぶ熱湯産出。2001年6月には3番目のタービンが運転に入り、合計 120MWeの電力と300MWt(1秒当たり1800リットル)の熱湯をを産出している。


ネーシャヴェトリルは他のへインギットル地域と同様、人気のあるレクレーション活動地域だ。ここのパワーステーションを管理運営しているレイキャヴィーク・エネルギー公社はハイキングやホースライディングのルートをつくり、標識を立てるなどしてこの地域のアウトドアー活動を組織的に整理している。考古学的発見物、歴史的文化的所産が登録されており、ネーシャヴェトリルとオルブスヴァトン湖だけでその場所は375箇所に上っている。 ネーシャヴェトリル地熱発電所(パワープラント)の見学もできる。夏季は月~土曜は9時~17時、日曜は13時~18時。冬季は事前アポイントが必要。(TEL:+354-480-2408、FAX:+354-480-3633、email: gestamottaka.nesjavollum@or.is )。見学コースは通常レイキャヴィーク・エンルギー公社の紹介や熱湯産出や利用そして周辺の地質についてのビデオショーで始まり、レイキャヴィーク地域暖房システムやパワープラントの説明を受けた後、4階に昇って機器類を見学して終了する。見学料は無料。
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ヘットラ Hella

平たい石を意味するこの人口620人のヘトラはセルフォスから肥沃な平原地帯を縫うようにリングロード(幹線道路1号線)を南東に30Kmばかりのところ、ラングアゥ河の東岸に位置する。1927年に1軒のお店が造られたのが町の始まりという若いコミュニテイである。ラングアゥ河を挟んだ対岸には堅い砂地に掘り下げられた洞穴が散在している。その中には判読できない碑文のようなものが記されており、恐らくアイルランドの修道士の手によるものと想定されている。
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クヴェーラゲルジ Hveragerði

温泉の町そして花の町として知られているクヴェーラゲルジは火山性温泉による熱湯を利用した温室栽培で知られる人口2,284人(08年1月現在)の小さな町。アイスランドでも最大級の高温地熱地帯のひとつであるヘインギットル中央火山地帯でパワフルな地熱地帯になっているゾーンの端っこに位置していて、町がある一帯の地下深くには裂け目や断層があり、アイスランドでも最大級の高温地熱地帯のひとつであるヘインギットル中央火山地帯から熱湯が流れ込んでいる。クヴェーラゲルジの地下の断層には深さ125mの地点に180℃の熱湯群が横たわる。
1929年、この地に初めて住居が建築された時以来、果樹や野菜を地熱利用のグリーンハウスで栽培することでこの町は発展してきた。地熱を利用したグリーンハウスがずらりと建ち並び、アイスランド最大のグリーンハウス・センターとなっている。近頃は野菜に加えて果樹や花の栽培も盛んになっている。アイスランドにおける地熱利用が実用化されたのは僅か70数年前のことで、その先駆けとなったのがクヴェーラゲルジ。現在では全国的にこのシステムが確立され、最も重要な天然資源のひとつとなっている。
町の背後には美しい山々に抱えられた谷や粘土質の岩石群の光景が展開され、蒸気を噴き上げる温泉からの熱湯が源水の一部となっているので「熱い川」を意味するヴァルムアゥ川が流れる。

80年にも満たないこの町の歴史だが、クヴェーラゲルジは技術的な進歩を続けながら発展を続け、住民は多くの目的のために地熱エネルギーを利用してきている。例えば、この町にある天然の温泉を利用した野外スイミングプールは国内でも大きな規模を誇る温泉プールのひとつだが、造られたのは第二次戦争よりも前というのは驚きでだ。環境保護の観点から地熱を利用したエネルギーの活用は今後ますます多くの分野で期待されており、その先駆けとなったこの町にはいろいろな計画が目白押し。クヴェーラゲルジHveragerðiのHverクヴェールは高温の温泉を意味するが、町の右寄りはクヴェーラゲルジの町の名前の由来となった温泉地帯となっている。従って、この町の温泉に関わるあらゆる事象はすべて南アイスランドにおける最も顕著な天然のアトラクションといえる。
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ケリズ火口湖 Kerið

グリームスネス地区にある約3千年前の古いクレーター。火山の噴火により陥没してできた 楕円形の窪地に水がたまったカルデラ湖。長辺は270mで短辺は170m。火口の底は深さ55メートル で貯水の深さは周辺の地下水のレベルにより異なるが7m-10m。深緑色の火口湖の水面と赤褐色の灰と溶岩とでなる内壁面のコントラストが幻想的な光景を醸し出している。
チャルトナルホゥラル(湖のある丘)と称される火山丘陵群の一部 でその最北端にある。ケリズの北東寄りには広域に及ぶセイジスホゥラルと呼ばれる別のより大きい火口群がある。グリームスネス地区の溶岩のほとんどはこれらの火口から流出したもの。 溶岩は6000年前のものだ。
クレーターの縁の小径を歩いて一周できる。小径の最も高い地点からは他の小さなクレーター等の良い眺めが楽しめる。夏にはここでコンサートが開かれることもある。 ここで初めてコンサートが開かれたのは1990年のことで、クレーター内の草が生えた斜面に観客用の席が設けられ、火口湖にゴムボートを浮かべて演奏された。2004年と2005年の8月にもより大きいゴムボートのステージで開催されている。
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ロイガルヴァトン Laugarvatn

セルフォスの北西の温泉が豊富な一帯ビスックプストゥングルの中心となる村。その意味は温泉の湖。この辺りでは、農民が温泉と地熱を農作業用の動力に利用して興味深い光景が見られるほか、ロイガルヴァトンは「天然サウナ」や「ポニー・トレッキング」を楽しめるところとして人気があり、重要なツーリスト・スポットになっている。
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フルージル Flúðir

南アイスランドのほぼ中心部に位置、地熱地帯の周辺に建てられた小村。レイキャヴィークからほぼ100km、セルフォスからは50kmで間欠泉ゲイシールへや黄金の滝グトルフォスヘは25kmと近い。地熱利用の温室ガーディニング・センターがある。1899年、フルージルの傍にあるヘトリスホルト(洞穴のある丘の意味)のパラゴナイト擬灰岩の形状によって氷河期について新たな考え方がもたらされている。この村には全32室の年間オープンのアイスランド航空ホテル・フルージルがある。9ホールのゴルフコースの他、スイミングプールもホテルの近くにある。
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