レイキャネース半島

●レイキャネース半島
ケプラヴィーク国際空港が位置し、アイスランドを訪れる旅行者が必ず目にするエリアで、この国の第一印象を決める一帯でもある。空港からレイキャヴィークへ向かうバスの中から眺める光景は、日本のそれとはまったく異質な風景が広がる。
ここには、樹木も河も渓谷もないどころか視界を遮るものが一切ない。火山活動がこの半島の地質を形成したことが分かるほど溶岩がむき出しになっていたり、「大陸の割れ目」を意味するアゥルファギャゥが半島を東西に分断するように走っている。


 実際にこのエリアを訪ねてみると、最初の印象とは別に意外と自然に恵まれていることに驚かされる。半島南海岸に延々と続く、切り立った断崖や半島先端部には、数多くの生物が棲息している。多くのヒメツノメドリや時折アザラシの姿を認めることができる。また、海上はホエールウォッチングの名所としても知られている。
 レイキャネース半島の光景は概して荒涼たるごつごつした広大な溶岩大地で比較的新しい火山活動の痕跡が随所に見られる。アイスランドでは電気エネルギーや暖房用の熱湯を産出し、グリーンハウスで野菜などを栽培し、ユニークなところでは昆布を地熱で乾燥させ肥料や飼料を作るなど様々な目的で地熱を利用しているが、レイキャネ-ス半島では地熱を利用した塩田がある。
 更にはここにはレイキャネ-ス地溝帯がレイキャネ-ス半島の中央部をほぼ東西に分断し、この地溝帯を顕著に観察できる箇所がある。シンクヴェトリルからラングヨークトル氷河とホフスヨークトル氷河を経てヴァトナヨークトルまで延びる地溝帯(ギャゥ)だ。勿論、世界的に有名なギャゥはシンクヴェトリル国立公園にあるアルマンナギャゥだが、ここを訪れる研究者やツーリストも最近になって多くなってきている。
 特にこのエリアでのおすすめのスポットはブルーラグーンだ。ブルーラグーンはアイスランド版露天風呂とでも言うべきリゾートで、皮膚疾患の治癒にも効果があることが認められており、クリニックも併設されている。アイスランドを訪れる旅行者が必ず立ち寄るメジャースポットでもある。ブルーラグーンにはホテルも隣接しているので、是非1泊して欲しい。


ブルーラグーン Blue Lagoon (Bláa Lónio) 

レイキャヴィークから車で約45分(ケプラヴィーク国際空港から15分)の所にある世界的に有名な温泉リゾート。世界最大のアイスランド版露天風呂で季節を問わずオープンエアのホットライフが楽しめる。隣接するスヴァルトセンギ地熱発電所のポンプが地表下2kmから汲み出すミネラルを豊富に含んだ地熱海水(240℃で2/3が塩水)が広大な温泉源となっている。レストラン、カフェーなどが備わったモダンで清潔な装い。スパ・マッサージ&ボデイ・トリートメントなども受けられる。
ブルーラグーンの詳細はこちら

●スヴァルトセンギ地熱発電所
ブルーラグーンに隣接。岩石の割れ目から吹き出る蒸気熱(地熱)利用の地熱発電所で、レイキャネース半島全域の電力及び熱湯による地域暖房をまかなっている。ソルビャルトナルフェットル山(þorbjarnarfell)の北に位置し、この辺りはレイキャネース半島でも最も新しい溶岩台地となっている。地下火山活動は今でも活発で火山クレーターなども点在する。「スモークレス・タウン」の街の秘訣に触れることができる。左の写真は1998年当時のスヴァルセンギ地熱発電所とブルーラグーンの全容。手前にある赤い屋根の建物は改装前のホテル、ノーザンライト・インだ。
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ケプラヴィーク Keflavík

「木材の小湾/入り江」を意味するケプラヴィークは歴史的には1590年代頃から長く続いたドイツ人との交易の中心だった町で、かつては国内第二の輸出港だった。レイブル・エイリークソン国際空港とNATOの基地 (2006年9月末に閉鎖)に象徴される町である。現在は、ケプラヴィークが隣りの2つの小村、ニャルズヴィークとハプニールを1994年に併合してできたレイキャネースバイルが正式市名。閉鎖されたNATOの基地に残った建物や施設はアイスランドに引き渡され、広い敷地は大学とその寄宿舎やキャンパスとして利用されている。

●ドゥウス文化ハウス Duus hús - Cultural Center
ブルーラグーンに隣接。岩石の割れ目から吹き出る蒸気熱(地熱)利用の地熱発電所で、レイキャネース半島全域の電力及び熱湯による地域暖房をまかなっている。ソルビャルトナルフェットル山(þorbjarnarfell)の北に位置し、この辺りはレイキャネース半島でも最も新しい溶岩台地となっている。地下火山活動は今でも活発で火山クレーターなども点在する。「スモークレス・タウン」の街の秘訣に触れることができる。左の写真は1998年当時のスヴァルセンギ地熱発電所とブルーラグーンの全容。手前にある赤い屋根の建物は改装前のホテル、ノーザンライト・インだ。
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ニャルズヴィーク Njarðvík

11世紀には既に教会があった古い歴史を持つ。漁業が今尚中心だが、ケプラヴィーク国際空港に近い所為もあってサービスや他の産業が増えてきている。ステクキャルコトと称される古い漁師小屋が残っており、現在では改装されて昔の一般的な生活スタイルを再現して旅行者に見せてくれるスポットとなっている。クリスマスには各家庭が競い合うように家全体を見事に装飾。町全体が鮮やかなクリスマスムードに包まれる。現在はレイキャネースバイルの一部となっている。
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ハプニール Hafnir

「港」を意味するハプ二―ルは人口100人余りの小さな漁港にも拘わらずかつては相当に繁栄を極めた漁村。ここにはアイスランドで獲れる魚介類の殆どが見られて興味深い水族館がある。ニャールズヴィーク同様、現在はケプラヴィーク、ニャルズヴィークと1994年に併合してできたレイキャネースバイル市の一部となっている。

●キルキュヴォーグルキルキャ教会 Kirkjuvogskirkja
ハプ二―ル近くにある古い教会。カソリック教の時代に聖母マリアに捧げて献堂された。1799年の初頭に発生した嵐で教会の建物は烈しく損傷を受けた。
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グリンダヴィーク Grindavík

南部レイキャネース半島最大の町。 中世にはイギリスやドイツの商人がこの港をベースに航海を盛んに繰り返したように、15世紀に歴史が遡る交易の町で今でも漁港として重要な役割を果していて、町の殆どの人が漁業やその関連産業に従事してい る。かつては重要な捕鯨基地でもあった。この町には650平方メートルもある大きな海水魚館Saltfishmuseumがあり、館内にはカフェテリアがある。
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レイキャネーストアゥ Reykjanestá

「レイキャネース半島の爪先」の意味で、文字どおりレイキャネース半島の突端部分。高さ73mの灯台があり、海岸に沿って突っ立っている険しい崖ヴァラフヌークルに聳えている。この灯台は1907年に建設されたもの。アイスランド国内で最初の灯台となった初代は1887年の地震の際に崩壊していて、建て替えられたものだ。
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エルドエイ Eldey

「火の島」の意味を持ち、レイキャネーストアゥの沖合い15kmに浮かぶ孤島で海抜は77mで海上に玄武岩質の岩が切り立つように突き出ている。面積は0.03km²。南西の沖合い83kmに延びる、一連の岩礁の最深部の海嶺上にある。この岩礁のチェーンは鳥の岩礁或いは火の島嶼の名が付けられていて、これらの岩礁のひとつが大ウミガラスの岩礁で、大ウミガラスの最後の繁殖コロニーがあったところだ。この岩礁は1930年に発生した海底噴火でほとんど海面下に潜ってしまった。しかし、エルドエイは世界最大のカツオドリの生息地として今でも知られている。夏の繁殖期には少なく見積もっても7万羽が数えられている。かつては登山家が征服を試みたり、危険を顧みない人々がカツオドリやその卵を求めてこの島に上陸した。地質学者に依れば有史以来この地域では10回を超える噴火があり、1973年の噴火は記録として残されている。1940年に自然保護区となり立ち入りができなくなっている。
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アゥルファギャゥ地溝帯 Álfagjá

「アイスランドの地勢の特徴」に詳しく掲載されているが、レイキャネ-ス半島の中央部をほぼ東西に分断し、シンクヴェトリルからラングヨークトル氷河とホフスヨークトル氷河を経てヴァトナヨークトルまで延びる地溝帯(ギャゥ)が 「大陸の割れ目」を意味するアゥルファギャゥである。この地溝帯を顕著に観察できる箇所がハプ二ールの南、レイキャネ-ス半島の西の入江サンドヴィークル小湾の沿岸部ストゥラ・サンドヴィーク附近にある。アメリカ大陸とユーラシア大陸を分断するギャゥには橋が架けられており、徒歩にて二つの大陸を渡ることができる。この橋を渡ったひとにはレイキャネース半島観光局が「2大陸横断証明書」を発行してくれる。入手希望の場合にはケプラヴィーク市内の図書館内(フルーグ・ホテルに隣接)にある同観光局へ赴き、その旨申告すれば発行してくれる(有料)。  
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クリースヴィーク Krýsuvík

最も有名な地熱地帯の一つセルトゥーンSeltúnがここにある。クレイヴァルヴァトン湖の南西にある。激しい勢いで噴出する高温蒸気、煮えたぎるようにブクブク音を立てて噴きだしている熱水の溜り池、硫黄に覆われた鉱床などを板張りの見学ルート沿いに目の当たりに観察できる。かつて硫黄が採掘されていただけに、周辺には腐った卵のような異様で刺激的な強烈な臭いが漂っている。しかしながら、この嫌な臭いを我慢しても色鮮やかで変化に富んだ地熱地帯の光景を観る価値は高い。明るい黄金色、赤茶けた燻されたような赤色、怪しく蒼びた灰色、濃い緑色などほぼ虹を構成するすべての色が絵のように展開するカラフルな光景が見事に広がっている。
試錐孔がこの高温地熱地帯深くに掘られ、ここからの高温蒸気でハプナルフィヨルズゥルの町の地域暖房を賄っている。
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クレイヴァルヴァトン Kleifarvatn

クリースヴィークから北に進むと道路の左右に2つの湖があるが火山噴火によるクレーターで、左手が深さ44mのグライナヴァトン(Grænavatn)、右手がゲストススタザヴァトン(Gestsstaðavatn)。その先に見える大きな湖がクレイヴァルヴァトン。火山によりできた断層上にある湖でその面積は9.1平方kmで南アイスランドでは3番目の広さ。最深部は97mで国内で最も深い湖のひとつである。集水地域は小さく、地表にはほとんど流出しない。降水量によって水位が上昇したり、下がったりする結果、湖の容貌は1年を通して目まぐるしく変化する。かっては生き物は存在していなかったが、マスが放流され、養殖されている。湖の周辺はあたかも月面を想わせる光景で訪れる誰もが強い印象を受けるところ。 言い伝えに依れば、クジラのように大きなモンスター級の大蛇がこの湖に住み着いているという。
2000年にこの地域に発生した大きな地震によって湖は排水することを余儀なくされ、その結果水面は20%も落ち込んでいる。
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