ツーリスト・スポット徹底ガイド

アークレイリと東北アイスランド   

アークレイリ

AKUREYRI & NORTHEAST (NORÐURLAND EYSTRA) 

 

アウトライン
 夏の「ミッドナイト・サン=真夜中の太陽の町」と呼ばれるアークレイリは、レイキャヴィーク、コゥパヴォーグル、ハプナルフィヨルズゥルに序で4番目に大き大きく、北アイスランドで最大の都会で、人口17,573人(2010年1月現在)。 歴史も古く、アイスランドで最も美しい町。アイスランド経済を支える漁業の中心地として、特に鰊漁業については世界最大の加工工場を有する港町であり、「火と氷」の創造した大自然がキャッチ・フレーズの北部地方観光の基地でもある。

 アークレイリは、また、文教都市でもあり、2つの高等学校と大学ひとつがある。更に、今でも1800年代の古い家や、ローマン・カソリック 風チャペルなどが数多く残っており、ロマンチックな香りに包まれている。

町の南では、地元の森林協会が長年に亘って努力して植林を施した成果を見ることができるキャルナランド森林公園がある。

 アークレイリの市内や周辺には散策するに楽しいところが数多い。一例を挙げれば;

アザルストライティ通り(Aðalstræti)の博物館庭園からスタートし、ノイスタヴェーグル通り(Naustavegur)までの散策。小道が地域暖房用熱湯パイプに沿って走っているので、それを南に向かって足を進めれば、空地救助隊のビルに辿り着く..........

更にはコイプヴァングスストライティ通りKaupvangsstræti。ホテル・ケアのフロントや アークレエイリ教会が面している通りで別名「芸術の路地」と称される。この通りにはかつて幅広い工業生産施設があった。生産業者の多くはその後場所を他所に移すが、建物の多くは残り、あらゆる芸術活動の場として活用されるようになる。その結果として芸術の路地の名に相応しく、アークレイリ美術館Akureyri Art Museum、アークレイリ視覚芸術学校、北アイスランド芸術家スタジオなどのほか、小さなギャラリー、レストランやカフェー、大小の展示施設が立ち並んでいる。

アークレイリのショッピング・ゾーンは二つ。町の中心部を走るハプナルストライティ通りHafnarstrætiと、グレラゥルガタ通り傍のショッピングモール・グレラゥルトルグGlerártorg

アークレイリの歴史
 9世紀、スカンジナビアからの移住者ヘルギ・ザ・リーンがエイヤーフィヨルズル峡湾の岸に居を構え、集落を構成したのが始まり。その後、数世紀にわたってアイスランドの主要港の一つとして栄えた、ハルグアゥガ河口・ガゥスエイリに人々は住居するようになり、港が河の堆積物で埋まるにつれて、交易所は奥のオッドエイリ半島のフィヨルド地帯の端っこに移されていく。これが現在のアークレイリ港である。そしてアークレイリはその後16世紀まで交易の中心地となった。

18世紀になって、往時のデンマーク王が「アイスランドでの交易占有権を有するすべての商人は、アイスランドに住まねばならない」とする布令を発し、1777年、商人フリードリック・リンゲが初めて居住用家屋を建て住み着いた。それまでこの地には、商店、屠殺場、羊舎そして倉庫などの建物しかなかった。従って、これが居住地区としてアークレイリの始まりということになる。オッドエイリ半島に初めて住居が建てられたのは1857−1858年、そして1866年にはオッドエイリは、1862年に国の公認となったアークレイリ交易センターの一部となる。当時のアークレイリの人口は僅か286人であった。このように、もともとアークレイリはデンマーク人の交易の村であり、そしてその後もずっとこの特性を保ってきた。今でもその名残りがこの町にはある。

 「グラーナ交易会社」という共同組合形式の交易が古くから行なわれた。それは1870年にアークレイリで創立され、多くの支店を有する偉大な商業企業であったが、後にその影響力を失い、1906年、アイスランド協同組合連合会(SIS)によって設立されたアークレイリ協同組合協会(KEA=ケア)がこれに替わり、KEAはその後ずっと現在まで、アイスランドにおける最大規模で、最も企業精神に富む協同組合体として運営されている。

 

スポットガイド

アークレイリ教会 Akureyrarkirkja

Akureyrarkirkja

ルーテル教会でアークレイリの街のシンボル的存在。1940年に献堂されたもの。クワイアーのためのパイプオルガンが設置されているが、1988年にアイスランド人オルガン製作者の手によるものとしては最初の第1号のものだ。聖歌隊席の中央のステンドグラスの窓は英国の旧コヴェントリー聖堂のもの、第二次世界大戦の1940年に破壊された聖堂の残存物だ。このほか教会の窓は英国の専門業者によるもので特徴ある見事なもの。

植物園 
 アイスランドで育つ果樹、植物や花が収集されている植物園。 この種の公園としては世界最北端のものであるが市街の中心部に位置。 土地の人々のピクニックや散策の絶好のスポットとして、また、ハネムーナーの記念写真の撮影にと人気がある。公園としての設立は1912年だが、植物園となったのは1957年。 総面積は3.6ha。アイスランド土着のほとんどの植物約(430種)、そして6600種類もの外来の植物が植林されたり、苗床や花壇そして温室で育てられている。 国内種・外国種を問わず新たに見つかったものは即この植物園に収集され、展示に供される。20年前には全体で4000種余りであったものが7000種にも増えたことで理解でき る筈だ。市街の高台にあり、ここから望む山脈を背にしたアークレイリの港と市街の光景はまるで絵葉書のようで絶景。 夏の陽の長い時季に是非訪れて見て欲しい。
植物園は6月〜9月に開園。朝8時から22時にオープン(但し、週末の開園は9時)。

リスティガルズリウム公園 Lystigarðrium
 1911年に設立された広大な公園。植物園もこの公園の一部。

ノンナフース Nonnahús 
 イエズス会牧師で、子供の本の作家として有名なスヴェインソンの生誕100周年を記念して1957年オープンした博物館。建物のノンナフース(ノンニの家)は1849年に建てられたアークレイリでも古い家のひとつで、スヴェインソンが幼少時代を過ごした住居。19世紀の典型的な建物として大切に保存されてきた。

スヴェインソンのフル・ネームはヨゥン・ステファゥン・スヴェインソンJón  Stefán Sveinssonで1857年11月アークレイリの近郊で生まれた。彼は1870年にフランスに渡って移り住み、カソリック教徒に宗旨替えする。ノンニNonniという名のキャラクターを主人公とする童話は彼の幼少時代をの出来事や体験をもとに12冊書かれた。作品はドイツ語で書かれたが、アイスランドはもちろん、ヨーロッパやアメリカ、日本まで知られており、訳本は世界30数カ国に及ぶ。愛読者は親しみを込めてスヴェインソンをノンニと呼ぶ。

2008年、ノンナフースは博物館のオープン以来の所有者であったアークレイリ・ゾンタクラブによってアークレイリ市に寄贈されている。

フリーズビャルナルフース  Friðbjörnarhús

  I.O.G.T.博物館とも呼ばれる。1884年1月10日、この建物の中でアイスランドで最初の“禁酒令”を定めた法令が発見されたことからこの名が付いた。O.G.T.= The Organization of Good Templar、すなわち、禁酒会。部屋のすべての部屋に禁酒会の活動に係わる絵画や関係品が展示されている。建物は、1856年の古い家屋。

ラクスダルスフース  Laxdalshús

 アクレイリで現存する最古の建物で1975年に建てられた住居。修復され、保護管理されている。

アークレイリ市立博物館 Listasafnið á Akureyri

 19世紀および20世紀初期のこの地方の生活様式が様々の形で展示されている。伝統的な漁業や農業、羊飼いに関する用具類なども。このすぐ側にある、1846年にエイヤーフィヨルズル地方の東に位置するスヴァルバルズに建立され、1970年になってここに移された古い教会も訪れてみたい。

アークレイリ市内での観光

アクレイリの旅行会社が夏季に定期観光バスを運行している。

★市内観光
 「フォルクロ
レ美術館」、 「自然史博物館」、 「ヨゥン・スヴェインソン記念博物館」など美術館をめぐり、エイヤーフィヨルズルで最初の交易所となったガゥスエイリの古い港を訪ねる。当時の痕跡の幾つかがこの一帯の建物や建造物に残っていて興味深い。その後、北部アイスランドの歴史上高く位置付けされるメーズルヴェトリル,50年にわたって鰊漁業で栄えた漁村ヒャルトエイリ経由、アゥルスコグスサンドゥル村へ。ここからフェリーでフリースエイ島に渡り、約1時間かわいらしい小島の探索を楽しんだ後、フェリーとバスでアークレイリに戻る所要5時間のコース。

★フィヨルド・コース
 先ず、市内の「自然史博物館」、 「ヨゥン・スヴェインソン記念博物館」な
ど美術館をめぐり、植物園を訪れる。その後、郊外のフィヨルド地帯の東側面の光景を堪能しながらドライブを楽しむ。途中、アークレイリ熱湯供給公社のポンプ汲み揚げ場、古い苔に覆われた教会、グルンドの農民によって百年かけて造られた有名な教会(この教会はアイスランドで個人所有の唯一のもの)が見られる。帰途、北アイスランドで最初の居住地となったパスト・クリストネースを経由して戻る。所要約3時間半のコース。

 

 

■アクテビテイ・ガイド

アークレイリ・スイミングプール
市街の中心部にある温泉プール。シンクヴァトラストライティ通りÞingvallavatnstræti にあって、ホテル・ケアやアークレイリ教会から徒歩圏内。年中無休でウイークデイは6:45-21:00、週末は8:00-18:30(5/01-2/15)、10:00-18:30(2/16-4/30)。25mの屋外プールがふたつ、ウオータージェット、ウオータースライド、ホットポット(42℃)スチームバスやサウナ、インドア・プールなどが備わっている。

★スキー
斜面の山を意味するフリーザルフィヤトル山Hlíðarfjallにあるスキー場 。アイスランドでも有数なこのスキーリゾート地はアークレイリ市街から車で10分程。海抜500〜1000メートルのところにスロープが有り、23コースの全長は15km、6基のスキーリフトと10kmのクロスカントリーコースも揃う。スキー板などのレンタルも出来、スキースクールも利用できる。

毎年12月中旬より5月一杯がシーズン。初心者からエキスパートまで、スロープや難易度もバラエテイに富んでいる。

スキーのシーズン以外のとき、特に夏場には、「ハイキング・コース」としても広く親しまれている。

★ゴルフ

世界で最北端にある公式のゴルフ場が「アークレイリ・ゴルフ・カントリークラブ」。18ホールで 全長6400ヤード。1935年オープン, 75年の歴史を誇っている。豊かな自然に囲まれたこのゴルフ場でユニークなミッドナイト・ゴルフは如何?

ビジターも大歓迎。通常5月中旬から9月いっぱいの9時〜22時にオープン。事前に予約すれば白夜の夏には「24時間ぶっつづけのプレイ」 ができる。

 毎年6月下旬には、「アークティック・オープン・インターナショナル」が開催され、夜を通してプレイが続けられる。これを目的にこの町を訪れる観光客も多い。



 

 

 


Revised:11/11/16