ツーリスト・スポット徹底ガイド |
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東部アイスランドの中心は、アイスランドで3番目に大きい湖ラーガルフリョート湖畔の商業・農業・工業のセンター、エイイルススタジルの町。この町の近くには湖畔を囲むアイスランド最大規模の「樺の森林地帯」。 40種類を超える背の高い樹林が続く一帯は、キャンピング場にも適していて、夏にはサマーホテルもオ−プンする。 ■スポットガイド
★ヴォップナフィヨルズル Vopnafjörður 同じ名前のフィヨルドにある人口670人 ほどの村(2011年1月)。コルベインスタンギ岬の東部に位置し、村の建設は19世紀末。ホプスアゥルダールル渓谷にあるブスタルフェトル農場(500年前まで同じ名前の農家が住んでいた)と民族館が古い芝土の建物を極めて良好に保存している。
★バッカフィヨルズル Bakkafjörður
★ヨークルダルスヘイジ Jökuldalsheiði
★ボルガルフィヨルズル・イーストリ Borgarfjörður
eystri ★バッカゲルジ Bakkagerði ボルガルフィヨルズゥルのフィヨルド沿いにある人口101人の小村。玄武岩と流紋岩でなる地域で、見事な景観と多彩な岩石や鉱物で有名。この村には妖精にまつわる話が多く残っていて、村はずれには自然保護区アゥルバボルグがあって妖精の女王がユニークな形の岩の城に住んでいると信じられている。妖精の岩を意味するアゥファステインの名のスーヴェニアショップもある。 ★ヘトリスヘイジ Hellisheiði ヘトリスヘイジはアイスランドで最も高地の海抜665mの山岳道路で、ヴォップナルフィヨルズゥルとヨークルスアゥルフリッズの間の荒地を縦断している。昔、この山岳道路はヴォップナフィヨルズゥルへの交易路として利用されていた。ここからのヒェラズスフロゥイ湾やウートヒェラズ平原の眺望は息もつけないほど素晴らしい。但し、この道路は車での通行可だが夏季のみオープン。 南アイスランドに同じ地名があるがこちらはへインギットル山の南に広がる荒地。 ★エイイルススタジル Egilsstaðir 東アイスランドの肥沃な内陸部にある人口 およそ2200人の町。この地に最初に家屋が建てられたのは1944年。 60年程前までは小さな地方病院の廻りに小さな集落が存在していただけだったのが、近年急速に発展し、今では東アイスランドの中心となっている。町にはモダーンなホテルや大きなショッピング・センター等があり、東部第一の町にふさわしい賑わいを見せている。しかし、残念ながらこの町に対する昔のイメージが浸透していて、この附近は小さな集落のみが散在する田舎と思っている人が多いのには驚くが、東部フィヨルド観光の基地として着実な発展を続けている。
★ラーガルフリョゥト Lagarfljót 「海の如きの大河」を意味するラーガルフリョゥトは、フリョゥトスダールルからエイイルススタジル間は湖となっている広大な河。最終的には東部フィヨルドのヒェラズフロイ湾Héraðflóiに流れ出る。湖に当たる部分は「ラーガルフリョゥトのヘビの湖」意味するラーガルフリョゥトスオルムリインLagarfljótsormurinnと呼ばれている。湖部分は深く、最深部は112mで平均でも50.7mもある。長さは30Km、幅は最も広い部分では2.5kmもある。場所によっては天然ガスが噴出しているが、そんなに多くはないがトラウト・フィッシングも出来る。湖は乳白色で、その特異な色と怪物にまつわる話が数々伝えられておりネッシーのような怪物、時折目撃されるということで有名な湖だ。エイイルススタジル寄りの橋近くで湖はラーガルフリョゥト河となって、東部フィヨルドの海に流れ出る。 夏には湖を130人収容の観光ボートがセールし、風物詩となっている。 ★ハトルオルムススタズゥル/ハトルオルムススタザルスコゥグル森林公園 Hallormsstadarskógur
エイイルスタジルから アイスランドで森林保護法が制定されたのは結構古く1899年のことだ。爾後、森林再生の取り組みは弛まず続けられてきた。外国からの多くの種類の樹木を植林する試みが始まったのは1903年のこと。 道順に沿って小径を歩き、これらの樹木を観察できる。植林は1903年に始められ、1905年には自然保護区となった。森林内にはすべて合わせれば40kmの長さに及ぶ道が整っており絶好のハイキングルートである。ラガルフリョゥト川の谷道附近をはじめ公認のキャンプ場が幾つかある。森林の面積は約1850ヘクタール(約4500エーカー)。 ★クラカライキャルシング Krakalækjarþing クラカライキャルシングは中世(930年−1262年)における東部フィヨルド地帯で開催されていた春の議会のひとつ。その場所はエイイルスタジルの北、ラーガルフリョゥトの岸辺だ。議場のブースが20余りそして建物の一部が名残りとして残存している。春の議会はふたつの機能を持っていた。議会が開かれる前に起こされた訴状を聴聞する事と負債の決済がそれだ。立法議会が判決を言い渡し、債務議会で金銭的解決がなされ、すべてのビジネス状の法的解決がここで行われた。年1回の秋の議会もここで開かれたがその目的は夏にシンクヴェトリルで開かれたアルシンギ(全島議会)でなされた法律の変更の告示が主だった。アルシンギは1800年に解散され、1843年に再開されるが地方議会の歩みも同様で、19世紀の中頃にはこの議会も再び活動を始めている。 ★ヘインギフォス Hengifoss
”吊るし滝”を意味する壮観な滝。ファーム、ブレッカ(Farm
Brekka)近くを流れる川へインギフォスアゥ
ラガルフリョゥト川に架かる橋の西に位置する人口365人の村。近年発展してきたところで、エイイルスタジルのベッドタウン的な存在になりつつある。
★セイジスフィヨルズゥル
Seyðisfjörður 夏季の期間、ここの港とフェロー諸島、シェトランド、ノルウエーそしてデンマークを結ぶ週1便のフェリーが運航される。 ★ネスコイプスタジル Neskaupstaður ノルズフィヤルザルフロゥイ湾には3つの小規模のフィヨルドがあるが、その一番北に位置するホルズフィヨルズゥルの北部にある人口1412人の町。他の二つのフィヨルド、ヘトリスフィヨルズゥルとヴィズフィヨルズゥルは幽霊が出没すると云う有名な言い伝えがある。この町は19世紀後半から発展し始めたが、本格的な発展は1949年にノルズフィヨルズゥルに隣接の町村とを結ぶり陸路が開設されてから。この陸路はアイスランドでも最も高い山並みが続く一帯のひとつオッドスカルズ峠越のもので、降雪の冬場での峠超えは困難を極めた。1977年、海抜632m、長さ626mのトンネルが開通し、今ではオッドスカルズ峠はこの周辺のウインタースポーツの中心地となっている。 ★エスキフィヨルズゥル Eskifjörður レイザルフィヨルズゥル・フィヨルドから突き出ている、同じ名前を持つ短いフィヨルドの東岸にある人口972人の町。町はノルウエーが東部フィヨルドで鰊漁を始めた1870年ごろから急速に発展を続けた。アイスランドで始めての独立した教会が1884年にこの町に建立されたことで知られている。 ★ファゥスクルーズフィヨルズゥル Fáskrúðsfjörður ブージルという別称でも知られている人口573人の町。同じ名前のフィヨルドの一番奥まったところに位置。19世紀、東フィヨルド沖で漁を展開していたフランス漁船の基地として栄えた。フランス領事が常駐したので、フランス人たちはここに病院と教会を建設した。町の北岸のクロッサルにはフランス人とベルギー人が合計49人埋葬されている。通りの名にはフランス語が混じり往時の名残が感じられる。
レイザルフィヨルズゥルは東アイスランドで最大のフィヨルドでカーブが多く、長さは30km。ここには同じ名前の町がありその人口は632人。かつてはブーザルエイリと云う名前だった。天然の良港としても重要な位置を占めている。 ★ストズヴァルフィヨルズゥル Stöðvarfjörður 同じ名前のフィヨルド沿いに約100年前に起源を持つ人口270人の村。この村の周辺では珍しく貴重な岩石や鉱石が数多く見つかっている。鉱石の収集家であるペトラ・スヴェインスドゥティルの家屋はペトラ鉱石収集館となっており、これらの珍しい鉱石類を見学することができる(有料)。 ★ブレイズダルスヴィーク Breiðdalsvík カンバネース半島とストレイティスクヴァルフ丘陵に挟まれた、同じ名前の広大な入り江にある人口189人の村。フィヨルドや島巡りができるボートツアーで楽しめる。また、周辺には多くのハイキング・トレールがあり、その多くは山越えルートや山道ルート。標高は並べて600m前後。山頂からのパノラマは絵さながらで絶景。 ★ドューピヴォグール Djúpivogur
ベルフィヨルズゥル湾の小さな農業と漁業の町で人口は403人。16世紀に遡る交易の歴史を持つ古い町で、200年前の商業用建物ロングブーズが残っており、現在では美術館、レストランそしてスーベニアーショップとなっている。標高1068mのピラミッド状玄武岩の山ブランズゥステインドゥル山が町を見下ろすように聳えている。自然が創造したこのピラミッドは、スナイフェルスヨークトル氷河として、世界でも極めて稀な霊力が宿る山として知られている。ドューピヴォグールから約5kmにある農場テイガルホルンはユニークな奇形奇岩と夥しい海鳥で知られ、又、世界で最も美しく変化に富むゼオライト(沸石)が発見された地としても有名なところ。
★パプエイ Papey ★ロゥン Lón 潟湖を意味するロゥンはイーストラ岬とヴェストゥル岬の広大な砂洲地帯。東スカフタフェットルスイースラの最東端に位置。 ★ロゥンソライヴィ Lónsöræfi 原野の礁湖を意味するはヨーロッパ最大の氷河 ヴァトナヨークトルの東に位置する広大なエリアで、最大の自然保護区のひとつ。1600−1900年のミニ氷河期まで人々はアイスランド各地をこのロゥンソライヴィを横切って旅をしていた。北のシングエイリと南のホルトナフィヨルズゥル間がその一例だ。最近、山小屋が建ち、渡河が困難な川に歩道橋が架けられ、ハイキングルートとして人気が高まっている。ここはまた流紋岩が多い所為で色鮮やかな山々や山峡の光景で知られている。更に、荒涼としているにも拘らず、草花が豊富に育っていることでも。 ★アルマンナスカルズ峠 Almannaskarð ホルトナフィヨルズゥルと東スカフタフェットルの最も東に位置するロゥンを結ぶ狭い山岳路にある峠(標高153m)。いわば、広大に開けた南アイスランドと狭いフィヨルドが連続する東アイスランドを分断する天然の境界線の役割を果たしている峠だ。道路が完成される前のかつては生死を分ける境界線でもあった。多くの人が勾配のきつい傾斜地で滑落して命を失っている。全貌に開けるホルトナフィヨルズゥルと峠の西側に展開するヴァトナヨークトル氷河の織りなす一大パノラマを堪能できる絶好のスポット。 ★ホプン Höfn
1996年10月から11月にかけて起きた,ヴァトナヨークトル氷河の中にあるグリームスヴォトン火山の氷河底噴火は世界中を震撼させた。氷河噴火は大量の氷を融かし、その結果,氷の湖が氷河の下に出現する。水は氷より重いため湖岸は決壊し易い。この噴火でヴァトナヨークトルの一部が融け始め,その水が氷河の下を通って,やがて,氷河の下の湖に流れ込んだ。全水量は,東京ドームの3200倍だったと云われている。水圧に耐えきれずに,ついには湖の壁が崩壊,流れ出した水は氷河のトンネルを抜け出すと奔流となって大洪水を引き起こした。ギーギャ河に架かる橋は跡形もなく消え,アイスランドで最も長いスケイザルアゥルサンドゥル河の橋も200mに亘って崩壊した。 ★ヨークラセル
Jöklasel
ホプンからリングロードを西に40分程ドライブするとスミルラビヨルグヤルヴィルキュン発電所(Smyrlabjargavirkjun)に到着する。 ★ヨークルスアゥルロゥン
Jökulsárlón
ヴァトナヨークトル氷河の南ブレイズルメルクールサンドゥル砂原には氷河を源流とする川ヨークルスアゥが流れている。長さはたった1500mと短い。この川の水は氷河湖ヨークルスアゥルロゥンに流れ込んでいるが、この湖にはヴァトナヨークトルを構成する
舌氷河ブレイザメルクールヨークトル(Breiðamerkurjökull)の先端部が崩れ落ち、氷山や流氷となって浮かんでいる。
しかし、かつては単に川だけで湖はなかったのだ。アイスランドへの定住が始まった9世紀の後半頃
1920年代になってアイスランドは暖かい気候に転換し、暖候期は1965年頃まで続くことになる。これが
海の侵食が原因で川の長さは分刻みで短くなっているそうだ。氷河が時折崩れ落ちる瞬間に出会えることもあり、様相はまさに壮観。氷河からの氷は1000年以上古いものであるが、氷河が最近の温暖な気候のせいで後退した結果、今世紀になってから氷河湖は形を大きく変えてきている。湖に浮かんでいる氷魂の間を塗ってボートに乗って氷河湖を巡ることができる。アイスランドでも最も美しい景観の一つだ。ツアー用のボートはとってもユニーク。乗客は陸上で乗船し、そしてそのまま湖上に向かいボートツアーを楽しめる。実はボートは水陸両用になっている。
★インゴゥルブスホプジ Ingólfshöfði アイスランドの最高峰クヴァンナダルスフヌークルがある連山オーライヴァヨークトルの真直ぐ南に位置する標高76mの岬。アイスランドの最初の移住者インゴゥルブル・アルトナルソンが上陸した最初の場所で、その後レイキャヴィークの近くに移住するまでの一冬を過ごしたことから名付けられた。海鳥の営巣地としても有数なところで夏には数十万羽のヒメツノメドリ(パフィーン)が集う。 ★スキェイザルアゥルサンドゥル Skeiðarársandur
ヴァトナヨークトル氷河の ★スカフタフェットル国立公園
Skaftafell
ここは又、ニャーゥルのサガに叙述されているが、古代の議会が開催された由緒ある地でもある。自然の織り成す傑作ともいえる一帯。高く聳える山々、堂々たる氷河、清流の小川が流れる峡谷、美しい滝、樺の森林、野花や植物の群生などにフィーチャーされる。
国立公園内には道路は1本もない。しかし、山道網は整っているのでハイキング・トレールは多様だ。 滝などを眺めながら峡谷に沿って標識のある小路を散策することを是非お勧めしたい。最も堂々としている滝はスヴァルティフォス(Svartifoss黒い滝の意味。右写真)で、パイプオルガンを思い起こさせるようなシンメトリーの柱上の玄武岩の壁を急勾配に突き落ちるドラマチックな滝。
馬蹄形をした狭くて深い岩場に流れ落ちる様は極めて印象に残るものだ。スカフタフェットル国立公園キャンプ場から歩いて行かれる距離。途中、観察を楽しみながらでもおよそ2時間程度。 |
Revised:12/03/07