アイスランドの地勢の特徴 |
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アイスランドの地勢 ■地質構造学上の特徴: アイスランドは中央大西洋海嶺の地溝帯(ギャゥ)の両側
のプレート(北アメリカ・プレートとユーラシア・プレート)に跨るように横たわる島である。アイスランドでは、島の中央を北大西洋中央海嶺が貫いているが、このような島は世界でもアイスランドしかない。中央海洋地溝帯でその海嶺が地表に乗り上げている部分が最大規模である故に、地球上の中央海洋地溝帯の最も肝要な部分をなしていると云える。この様にアイスランドの地形における顕著な特徴は、北部においては北から南の方向に、南部においては北東から南西の方向に走る割れ目(ギャゥ)である。 大西洋中央海嶺の軸がアイスランドのほぼ中央部を南西から北西にかけてを貫いており、 海嶺のてっぺんには地溝帯と呼ばれる割れ目の谷(ギャゥ)がある。アイスランドの南西部に向かって走るレイキャネース地溝帯(アゥルファギャゥ)と北に向かってグリーンランドとノルウエーの間にある火山島ヤン・マイエンの方向まで続くコルベインスエイ地溝帯がそれである。大陸移動説は地球の磁場の極性が周期的に逆転し、磁気計の調査により判明したのだが、大洋流の岩石が液状の玄武岩が変じて溶岩石になる際に、その磁化を失わずにそのまま保有していることが分かっている。また、地溝帯の岩石の磁化の方向を図表化することによって、大洋流の岩石が最も近い大洋の地溝帯に平行して細いヒモ状の縞模様のパターンを示すことが瞭かになっている。 アイスランドは
中央大西洋海嶺の軸の上に、ふたつのプレート間の地表(陸地)部分として活発な火山活動と広く符合しながら過去20〜25百万年に亘って成長し続けてきた島だ。地球の深部で発生するマントル上昇流の上にある熱い表面であるアイスランドは、世界の他の如何なるところより速いスピードで大量の火山物質を溶岩となって蓄積している。ギャゥ(割れ目)を広げることで大きくなり、更に軸上になったギャゥ・ゾーンに沿って発生する火山活動によって付着成長を続けている。中央地溝帯の中心へ絶え間無く新しい溶岩が蓄積されて前の溶岩が水平に押しやられ、中央地溝帯を境目にアイスランドは東と西に向けて成長を遂げているのだ。その成長のスピードは1年に東西夫々に1〜1.5cm、合計2〜3cm。ギャゥを境に、アイスランドの西の部分は北米大陸プレートに属し、東の部分はユーラシア大陸のプレートに属している。 ギャゥはミールダルスヨークトル氷河の麓にあるエルドギャゥ、ミーヴァトン湖近くのミーヴァトン湖近くのグリョゥタギャゥ、レイキャネ−ス半島の突端部附近でも観察できる。レイキャネース半島のギャゥは「大陸の割れ目」を意味するルファギャゥ Álfagjá だ。ハプ二―ルの南、レイキャネ−ス半島の西の入江サンドヴィークル小湾の沿岸部ストゥラ・サンドヴィーク附近にある。アメリカ大陸とユーラシア大陸を分断するギャゥには橋が架けられており、徒歩にて二つの大陸を渡ることができる。
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Revised:12/05/24